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三角点とは?
三角点(さんかくてん)とは三角測量に用いる際に経度・緯度・標高の基準になる点のことです。標高については別途、基準となる水準点も存在します。
三角点の概要
測量法で定められている測量標の一つで、永久標識に分類されます。
三角点には、基準となる柱石が設置されています。
通常、見晴らしの良い場所に設置されるため高山の山頂付近に設置されている場合が多いです。このため一等三角点を山頂に持つ山の踏破を目標とする登山愛好者も多いのです。
場所によっては、公立学校などの公的建造物の屋上に設置されている場合もあります。
三角点の設置および管理体制
- 日本の近代政府による位置の基準となる標識の最初のものとしては、明治4年11月8日(1871年12月19日)に太政官から沙汰のあった東京府下測量のための測量標旗の規格があります。
これは測量標としては仮設標識に相当するものでしたが、明治7年(1874年)4月27日には永久標識としての測量標柱の規格を定める内務省達が発せられています。 - その後、内務省地理局の三角測点を経て日本国内の測量業務は明治17年(1884年)6月26日に参謀本部に移管され、以後三角点の設置・管理は太平洋戦争以前は参謀本部陸地測量部が、戦後は国土地理院が行っています。
- 戦前までは三角点、水準点ともに参謀本部が各県の警察に指示してパトロールをさせていました。
- 明治時代当時の参謀本部の目標としては、5万分の1地形図を全国整備することでした。
緯度幅10分、経度幅15分のこの地形図一図葉を作成するためには当該範囲内に少なくとも30〜40点の基準点が必要となり全国を約1,300図葉でカバーするためには約4〜5万点の基準点が必要となりますが、まともに基準点を設置していては誤差の累積を免れません。
そこでまず大まかな三角網を形成し、これを基にしてさらに小さな三角網を形成するといった方法を採り必要な数の基準点に達するまでこれを繰り返すことで誤差の累積を回避しました。
当時の技術水準における角度の測定精度は0.1秒であり、目標位置精度を2cmに設定すると点間距離は40kmまでに設定できました。
こうして組まれていった三角網が、“一等三角網”と呼ばれるものです。 - 上記のような事情から、三角点の等級というものは設置される山自体の等級を表しているものではなく、あくまで三角網の形状(できるだけ正三角形に近い形が望ましい)、測角のための相互視通等の条件により大きな三角網に設定されたかどうかによるものなのです。
- また当時の測角精度においては水平角に比べ高低角の精度が劣ったため、別途水準測量を実施し水準点から各三角点に標高値を取り付ける作業が平行して行われていきました。
- 一定の期間毎に三角点同士の再測量(GPS測量など)が行われ、精度が維持されています。
- 柱石には花崗岩など硬い素材の石が用いられます。石の頂部には十字の切り込みが入れてあります。
- 柱石の破壊など機能を損ねる行為をした者は、測量法の規定により2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。
三角点・基準点の種類
三角点・基準点には、電子基準点、一等三角点、二等三角点、三等三角点、四等三角点、五等三角点などがあります。
平成22年(2010年)3月31日に国土地理院が公開した点数は下表のとおりです。
公開方法 | 一等三角点 | 二等三角点 | 三等三角点 | 四等三角点 | 五等三角点 | 電子基準点 | GPS固定点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
一覧表 平成22年(2010年)3月31日公開 | 974 | 5,060 | 32,325 | 70,095 | 1,240 |
■一等三角点
- 設置間隔は約40km、必要に応じて補点(約25km間隔)が設置されています。
- 全国に約1000点。
- 柱石の一辺は18cm、破壊や破損に備えて、柱石の直下には2枚の盤石も埋設されています。
■二等三角点
- 設置間隔は約8km。
- 全国に約5000点。
- 柱石の一辺は15cm、破壊や破損に備えて、柱石の直下には盤石も埋設されています。
■三等三角点
- 設置間隔は約4km。
- 全国に約3万2000点。
- 柱石の一辺は15cm、破壊や破損に備えて、柱石の直下には盤石も埋設されています。
- 現在の技術水準においては、2万5千分1地形図を作成するための位置の基準としては、以上の等級の三角点で充足されます。
■四等三角点
- 設置間隔は約2km。
- 全国に約6万9000点。
- 柱石の一辺は12cm、破壊や破損に備えて、柱石の直下には盤石も埋設されています。
- 地籍調査又はこれに相当する調査の測量の基準点として、国土交通省土地・水資源局国土調査課の委任を受け、国土地理院が設置するものです。
■五等三角点
- 明治22年(1899年)に国土地理院の前身である陸地測量部が「海中の小岩礁の最高頂を観測し、其の概略位置及高程を算定し、之を五等三角点と称すること、尋て市街地の高塔等亦之に準することに定めたり」とあり、三角点標石を設置するのが困難な小岩礁はその最高点を五等三角点とし、火の見櫓や煙突等の市街地の高塔もこれに準じていました。
- 長らく五等三角点の新設は行われておらず、四等三角点以上への切り替えや廃止が行われたため、現在は沖縄県の小島の3ヶ所が残存しているのみです。
■電子基準点
- 精度の高い測量網および地殻変動を監視するシステムとして国土地理院が構築したGPS連続観測システム(GEONET:GPS Earth Observation Network System)で、電子基準点は、その観測点(GPS連続観測点)です。
- 2007年現在、日本全国におよそ1,200地点に設置されています。
- 高さはおよそ5mの金属製です。とくに夏季などは金属標の南を向いた側でのみ僅かながら熱膨張が生じるとされ、それを回避するための覆いを順次整備しています。なお金属標が水準点の標石などと比べ高所にあるのはGPS信号の受信を容易にしつつマルチパスの影響を除去すること、および受信機への悪戯の防止のためです。
- GPS衛星からの電波を受信します。
- 24時間連続観測し、観測センターへリアルタイムでデータを送信しています。
- 地殻変動による位置変動の解析可能精度は1cm以下です。
- 基礎部に金属標(電子基準点付属金属標)が埋設してあります。順次この金属標に対し水準測量がかけられ、一部は二等水準点として成果が公表されています。
日本全国津々浦々!!全国三角点・基準点MAP
日本全国に点在する三角点・基準点を見てみましょう。
- 北海道地方の三角点・基準点
北海道